nano tech 2024 視察報告
2024年2月4日
nano tech 2024 及び機能性材料展、Green展の視察報告
目的:① nano tech2024 現在、全固体型Li二次電池評価機器を生産中のため市場の動向を調査する。
② Green展 次世代型太陽電池をはじめ、再生可能エネルギー関係に係れるガラスについて調査する。
1.講演会・・・全固体二次電池の現状
①菅野教授(東工大)基礎研究分野
・1990年代以降の研究歴史の説明があった。
・約4年前に開発したLGPS(Li,Ge,P,S)と呼ばれる電解質で一気にデバイス化のめどが立った。
・合わせて小型のパッケージ電池がマクセルより量産化された。
・この電解質は住友金属鉱業が生産するアルジロダイトが使用されている。
・今後、硫化物系の全固体以上の特性が出せる可能性がある材料としてはZn、フッ素化合物が考えられる。
・合わせて流体界面として、電解質の相手が半導体特性を有したものをとらえておく必要がある。
② 高橋司氏(住友金属鉱業㈱)
・A・Solid の登録商標でアルジロダイトの量産を始めた。
・ライン増設の稟議も通した。
・-40℃~150℃で安定した充放電特性を有する電解質。
・特徴はLiイオンの周辺を電子伝導体と若干のドーパントで均一に修飾するところが技術ポイント。
③ 山田 将之氏(マクセル)
・住友金属鉱業のA・Solidを使用してセラミックパッケージにして量産出荷を始めた。
・用途はサーボモータのエンコーダ用電源。
・電池化することで元電源から引っ張るハーネスが省略できることと
PWB上に半田リフローで取り付けられる。
2.展示会内容
1)再生可能エネルギー分野にて、日本電気硝子が0.05mm厚ガラスを化学強化し、半径3mmまで曲げるデモを実施していた。
2)同じく同ガラスを用いてフォルダブルのタブレットを展示。
3)薄板加工の市場は大きそうである。
4)次世代型太陽電池に関しては、主流がフィルムベースであり、残念ながらガラスベースのものは見当たらなかった。
5)但し、個人的には水分、酸素の透過率からガラスが最も有利と考えており、将来に向けて要求性能を満たすための加工について準備は進めておく必要性を感じた。
6)少し先のテーマとしては、信州大学と東京大学が共同で研究している
触媒を用いてフィルム上で、太陽光により水を電気分解しエネルギーとして水素を取り出す技術の紹介があった。
以上