工業会活動報告

展示会講演会 参加・見学報告

第13回オートモーティブワールド クルマの先端技術展 参加報告

    概要:第13回オートモーティブワールドに参加した。また、同時に開催されている第35回ネプコンジャパンにも参加した。感染対策も念入りにされていたが来場者数に関しては 例年の1/3程度の14,000人程度(3日間合計速報)であり、感覚的にも人数が少ない印象であった。出展社についても出展中止や説明員の人数制限を行っている企業が多く、盛り上がりに欠ける内容であった。そのような状況であったが下記のガラスに関連するブースについて報告することとする。

    双葉電子工業株式会社
    有機ELディスプレイやタッチセンサーなどの各種電子部品の設計製造を行っているメーカーだが、今回新たな展示品として、CID(センターインフォメーションディスプレイ)を模した展示品があった。車載関連分野は、成長が見込まれている市場であり、国内外の企業が力を入れているが、今回の展示品は国内の企業でタイアップしている。
    製品構成は、ガラスカバー→化粧フィルム(ガラリット)→有機EL→LED基板となっており、特徴は、各種ボタンを非点灯にすることができシンプルかつ高級感を生むデザインとしている。また、フィルムを使用するため様々なデザインに対応できるほか、家電などにも応用できる。各パーツの担当企業は、電子機器/双葉電子工業㈱、化粧フィルム/中沼アートスクリーン㈱、フィルム貼付/マイクロテック㈱、ガラスカバー/㈱武内製作所(本会会員)でタイアップしている。
    なお、マイクロテック㈱もネプコンに出展されており、同様の展示をされていた。

    日本電気硝子株式会社
    化学強化専用超薄板ガラス“Dinorex UTG”が展示されていた。
    Dinorex自体は数年前から販売されているが研究を重ね折り曲げに強い製品を開発されている。“Dinorex UTG”は、板厚t25マイクロメートルをR1.5まで折り曲げが可能であり、車載関係、モバイルにも採用されている。フラットな状態で製品とし、それを枠形状にはめ込むことで様々なデザインに対応可能な“カバーガラス”として展開されている。なお、上記、双葉電子工業㈱ブースにあった㈱武内製作所製のガラスカバーは、t2.0の平板を写真のようなS字形状へ成形している。

    帝国インキ製造株式会社
    大型曲面ガラス及び樹脂パネルが展示されていた。※加飾済
    昨今、車載向け大型パネルの需要が高まり、それに伴う印刷の案件も増えてきている。
    曲面具合によっては印刷の高い技術が必要になり、対応可能な業者は限られてくるとのこと。展示品は、ガラス製と樹脂製があり、試作品とのことで量産ラインにはどちらが採用されるかは不明とのこと。ガラス業界に籍を置く人間としてはこの分野でガラスが主導権を握れるよう切に願う。

    開催日程 2021年1月20日~22日
    参加人数 1名
    場所 東京ビッグサイト