JAPAN PACK2019視察報告
2019年11月5日
目的 : 特別公演聴講
展示会見学により市場の動向確認及び、関連設備、機器見学
特別公演 : グローバル生産体制における自働化技術課題
日時 : 2019年10月29日 13時~14時
講師 : (株)資生堂 生産部長 大前 勝己 氏
公演内容 : 現在国内3工場、海外7工場あるが全体の生産数に対して65%は日本国内での生産になっている。
これは安心・安全が求められメイドインジャパンが好まれる事にも対応できる。
今回はプレステージ・フレグランス・コスメティクス・パーソナルケアプロフェッショナルのブランドの内から売上構成的に見て延びているプレステージについて取り上げられた。プレステージに求められるのは
・ロット:小~中
・容器形状:複雑
・梱包仕様:複雑な構成材
など手間がかかり自動化が困難な物が多い。
その中で各ブランドの見直しを行い、譲渡・撤退・ディストリビューション
契約の終了を行い自社で保有するブランドを選択し開発に取り組めるよう集約している。
グローバルでの生産 出荷先に応じたパッケージの印刷が必要になり生産工場を振り分けている。
その為地域によっては人件費の差などもあり自動化が求められた。
例)フランスは日本の賃金の30%up
生産自動化で今回紹介されたのは広口はキャップを吸盤で吸着しビン形状に影響を受けず搬送でき多品種に対応との事で、 従来は首、胴体、ビン底を保持していた為に形状に対応できず手作業が減らせなかった。 又、自動化されても製品が変われば...担当者が変われば...生産数が変われば... と挫折してしまう場面があった。
自動化のポイント
・ハンドの開発に3Dプリンターを使う
自社現場で作ることにより早い対応
・部品供給機の開発
ボトルを搬送する装置から考える
・工程設計
人とロボットとの共存
・遊びの場
人が工程内自由に動ける
開発のポイント
・女性主体の現場を考える
・マルチハンド
・作業台はフラットに
今後の工場体制
那須工場(2019末~)大阪茨木工場(2020末~)久留米工場(2021末~)
3工場を立ち上げ国内6工場体制にする。
質疑応答より
Q:パッケージなど自動化によりデザインに制約がでてきた場合どう考えるか
A:今回の公演ではプレステージの話をしているので、プレステージではデザインに設備を合わせるという考えをしている。
公演所感
自動化とはよく聞いたりするがただ単に単純作業をロボットに置き換えるだけではなく次の...という展開していくであろう部分にも対応する為にコアになる部品を自社で製作してる所が非常に強いなと感じました。社内に持ち帰り何ができるのかという目線で工程を見直してみようと思いました。
展示会所感
展示会自体は例年と変わらずで注視するブースは無かったように感じました。
ガラス容器に充填したりラベルを貼ったり梱包したりといった紹介はまったくと言っていいほど樹脂や袋に押されてる感じでした。 ただここ数年問題になっている海洋プラスチックごみ問題を取り上げたアライアンスのブースが設けられており再生樹脂やバイオプラスチックや紙系(トレー、ナイフ、フォーク)などが取り上げられていました。ただバイオプラスチックにしても完全に微生物に分解されるとは限らないと聞いたこともありまだまだ課題があるように思います。
以上。