CIOE (China International OptoElectronic EXPO) 2019 視察報告
2019年9月17日
報告:
中国で最大規模の光学関連の展示会を見学した。光学産業の最大集積地が中国なので、この展示会は世界最大規模になる。深センの展示会場は幕張メッセとほぼ同じ広さと思われるが、会場には収まらず、通路で展示している会社も多く見られた。 展示会は、光通信、精密光学及びカメラ、レーザー、赤外光、そして、センサに分けられ、光通信と精密工学及びカメラの会場が全体の半分以上を占めていた。
展示会では出展者のほとんどは地元の業者だが、日本の光学関連の展示会ではほとんど見られないHOYAやオハラ、ニコンといった光学ガラスメーカーの力の入ったブースが目立った。また、大阪硝子工業会の会員企業さんのブースもあった。それらのブースについて以下に記す(敬称略)。
〇五鈴精工硝子
工業会の会員である五鈴精工硝子はこの展示会には初めての出展。参加申込が遅かったこともあり、通路での展示になったが、多くの人が行きかう場所なので、かえって良かったという事だった。 多くの方がブースに来てくださり、かなり手ごたえを感じたと説明員は話していた。
〇オハラ (小原光学(香港)有限公司)
オハラは日本の光学ガラス溶融メーカーでは最大の生産量をもち、キヤノンが主な顧客である。 オハラのシニアマネージャーにお聞きした内容は以下の通り。 「オハラが本展示会に出展するのは5年ぶり。今回はガラス生地の紹介というよりも、レンズブランクや非球面レンズ等の半製品、製品のアピールをする目的で出展した。」
○CDGM(成都光明光電股?有限公司)
CDGMは世界最大の光学ガラスメーカーである。元は軍事工場だったが、ロシアや日本の技術を巧みに取り入れて、世界需要以上の生産能力をもつ企業になった。ブースの規模も本展示会最大で、多くの人が訪れていた。
○雑感
カメラの需要は生産量で見ると下がっているが、なんとか高価格帯にシフトして収益を確保しようとしている。今回日本の光学ガラスメーカーが出展しているのは、需要の掘り起こしもあるが、ガラス生地よりも付加価値を付けた半製品や製品を販売して収益を確保したいという意図があると思われた。 業界で長く続いた分業体制が崩れていくと思われた。
以上。