InterOpt 2018 視察報告
2018年10月30日
概要:InterOpt 2018は、光デバイス・レーザー技術の展示会ですが、LED関連の展示会であるLED JAPAN 2018 と画像処理・センシング技術のImaging Japan 2018 と同じホールで垣根無く併設され、All about Photonicsとして光技術全般の展示会として開催しています。
入場者数は合計で4,570名ですが、隣のホールで開催されるCEATECからの入場者はカウントされていないので、実際にはその何倍ものお客さんが入場されていると感じます。
展示:今年も数社のガラス会社の展示がありましたので、会社別に印象に残ったもの記します。
○松浪硝子工業株式会社
大阪硝子工業会のメンバーである松浪硝子工業は車載カメラ用近赤外カットフィルターや自由曲面対応3Dガラス等の種々の特殊ガラス製品を展示されていました。
そのなかで、ディスプレイが裸眼で3Dに見える効果がある、レンチキュラーレンズガラスを実演していました。これは、ガラス基板上に高精度なレンズアレイ(レンチキュラーレンズパターン)を光ナノプリント技術で形成したものです。レンチキュラーのパターンは50?~500?まで対応できるそうです。
○日本電気硝子株式会社
ホールの中で最大規模のブースに種々のガラスを展示していました。
・G-Leaf
非常に薄い板ガラスで曲げることができます。今回の展示では、このガラス上にIZO(無機導電性膜)のパターンを成膜し、これをベースに作成したフレキシブル有機液晶パネルを展示していました。
この有機液晶パネルはこのガラスでサンドイッチした構造になっています。フレキシブルでありながら、ガラスは加水分解しないので、樹脂と比べて防水性が向上するメリットがあるそうです。
○FLIR
FLIRは赤外線カメラのリーディンカンパニーで、一般用だけでなく産業用、軍事用と様々な用途に合う製品を設計から製造、販売まで行っています。
その中でInterOptには、自動車用赤外線カメラを展示していました。自動車用には、夜間や悪天候時での視野確保が求めれ、使用波長域が7.5?~13.5?と赤外線のなかでも長波長域の赤外線を使用するそうです。
レンズ等の光学系にもこの長波長域を透過する素材が必要ですが、現在販売されているガラス素材は毒性のある元素を含有しているものが一般的なので、毒性が無いガラス素材の登場が望まれます。
所感:以前のInterOptはレーザー関係の展示が多かったですが、今年は自動車関連の展示が目立ちました。 やはり成長産業に如何に参入できるかが重要だと感じました。一方、隣で開催されているCEATECは自動車も一つのテーマですが 、AIやIoTが主な展示内容となっており、特にキャッシュレス・レジレスの実演店舗に多くの来場者が集まっていました。
以上。