工業会活動報告

ガラス関連施設 見学報告

2012年10月22日~28日 「ドイツ・北欧ガラス産業調査団」ご報告

    GLASSTEC 2012 視察報告
    10月22日 17:30 視察メンバー(13名)がデュッセルドルフに到着する。 現地で宿泊。
    10月23日 GLASSTEC視察 宿泊先より電車にて移動を行い、am9:00過ぎに現地に到着しました。 まだ朝が早いせいか、思っていたより混雑しておらずスムーズに会場へ向かう事が出来ました。 (後日に調査したところ、訪問者は43000人でその内の半数は海外からの訪問者、また訪問者の 2/3は経営者トップクラスの方が来場されていた様です。) 視察メンバーは、現地にて各々に別れて行動し、興味のあるブースへの見学を行なった。

    お昼頃には、来場者も多く活気が出てきていました。 流石に、ガラス部門では世界で最も重要な見本市と謳われているだけにデュッセルドルフ・トレード・フェア・センター内に有る 17フロアー中9つのフロアーを使用し壮大な規模での展示会場でした。 ブース数は、1162ブースで大きく分けて ガラスの搬送、建材目的、太陽光、ガラス製造(生地)から成り立っており、 中でも超大板ガラス(4メートル角以上有ったのでは) の搬送から切断設備のデモを行なっているブースには圧倒されました。

    それぞれのブースでそれぞれのアイデアの競い合いは活気が有って、ある意味、訪問者に勇気を与えてくれる場にも感じます。 また、日本企業のブースや、数多くの日本人も来場されており、改めて注目されている展示会だという事を知る場だと感じさせられました。 各自の目的は違えども、ガラスに関わるメーカーとしてこれだけの規模の展示会を見学できる事は非常に有意義な1日である事と感じます。 一部ではガラス離れが進む中、こういった世界規模のガラスの展示会に出席できる事によって、 新たな気持ちでガラスと向き合う場となりそれが勇気となり、今後とも継続的に視察出来るように社業に取り組みたいと各自が感じた事と思います。

    ボダのGlass Factory
    1)ガラス吹き工程、アートギャラリー、ガラス博物館を視察  10月25日 ストックホルムの宿泊先からスモークランド地方へ移動を行い、am9:00過ぎに目的のカルマルに到着する。 カルマルは田舎の町で周辺には何も無いような土地、そこでボダのガラス工房が行なわれていました。 観光を目的としたガラス工房になっており、博物館と工房が一体化していました。 おそらく生計は観光が主となっていると感じさせられる建物でした。

    博物館は、工房の歴史とガラス職人をリンクさせた展示がされており、その移り変わりが やさしく紹介されている感じで好感が持てる博物館でした。展示物は、ガラス職人のひとりひとりの個性がデザインに出ており、もっと深く観察すれば、この製品は誰の影響を受けた物なのかが分かってくる位、個性的なデザインだったように感じました。 工房では、少人数での加工が行なわれていました。やや大きな器のような物を加工されていましたが、おそらく100個/8時間位を造る事やっとではなかったでしょうか。不思議なもので、昔ながらの加工方法を見学しているとガラスが生きているように見える。これぞ工芸なのでしょう。

    2)午後からは、コスタのKosta Glassworksでの見学となりました。コスタはガラスのテーマパークという表現が良いのか、 日本で言う大きな大きな道の駅という方が伝わりやすいかと思います。 (敷地内には、ガラス工房などを紹介したホテル・ガラス製品の販売・衣料なども売られていました。) 工房では、6人位のチームで7グループ程に分かれ、それぞれが違ったガラス製品を加工していました。 主にグラスが多かったようですが中には、手洗い場の流し台をガラスで加工していた工程もありました。

    ガラス製品の販売では、ガラス製品が数多く陳列されており、ガラス流し台もここで販売されていました。 その洗面台は種類によって異なっていましたが20~30万円ほどで売られており、その他にも一般の人が購入できそうにも無い高価な製品が数多く陳列されている事が印象的でした。もちろん安価な製品も並んでいます。 この地方では、ガラスに対する愛情が原点にあるのだろう。ガラスによって栄えた町が今後生き残る上で、ガラス工房、ガラス製品と工芸品の有り方を追求した形がこの地方で有り、まだまだ古いながらも発展形なのであろうと思います。ガラス製品の目的はそれぞれに違えども、ガラスに対する愛情を見直す為の良い経験が出来る町であったように思います。

    開催日程 2012年10月22日~28日
    参加人数 13名